雑感

2017年1月27日 (金)

『シュレーディンガーの片手袋』

「お!片手袋かな?」

Photo_2

でもこの状態ではイマイチ分からなかったので裏に周ってみたところ…。表のゴミ捨て日のお知らせと裏打ちされた板の間に、この片手袋らしき物体が挟まっていたのです。指の部分でも露出していれば片手袋か否か判別できるのですが。

しかし私は片手袋には触れない主義。取り出して確認できない以上、この物体は片手袋かもしれないし、靴下かもしれないし、レッグウォーマーかもしれない。僕に出来るのは、その宙ぶらりんの状態を写真におさめる事だけでしたよ。

あれ?もしかしてこういうのが『シュレーディンガーの猫』って事?

え?違う?…ああ、そうですか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年1月14日 (土)

『温かい湯船に浸かりたかった』

夜、寒い。

一刻も早く出先から家に帰って、お風呂に浸かって布団に潜り込みたい。でも、それが叶わない。家まで1kmもない距離。でも、全然辿りつかない。

Photo

その僅かな距離に無数の片手袋。その度にペダルを漕ぐ足を止め、iphoneを取り出し、手袋を外して、様々な角度から撮影。片手袋一枚につき、およそ5分のロス。

それがこの日は片手袋七枚。35分。しかもそんな事をやってるから、渡れるはずの信号も赤に変わってしまい待つ羽目に。40分、50分。時間はどんどん過ぎていく。

ようやく家に着く頃には、体の芯までキンキンに冷えてしまっている。しかも夜遅くなってしまったので、明日の仕事を考えるとゆっくり湯船につかる暇はない。シャワーでさっと済ます。

僕だって。僕だって何かがおかしいと思っている。でも…でも、片手袋があるんだよ、そこに。

僕は、最終的にどこかに辿りつけるんだろうか?それともどんどん遠ざかっているんだろうか?

皆さん、片手袋の冬の旬、最高ですね!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年1月 1日 (日)

『あけましておめでとうございます』

2017

あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。

撮影、研究といったいつも通りの片手袋研究は勿論、今年も色々な事にチャレンジしてみようと思います。僕にご協力出来そうな事があれば、いつでもお誘いください。

皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

平成29年 元旦
片手袋研究家 石井公二

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年12月31日 (土)

『2016年の片手袋研究を振り返る』

今年最後の更新なので、ちょっと2016年を振り返ってみます。

今年も片手袋を撮る、考察する、発表するという活動を積み重ねる日々でした。しかし、今までとちょっと違う流れが生まれてきたのが印象的でした。

まず思い出されるのは、手袋製造メーカーのヨークスさんに声を掛けて頂いて実現した写真展示です。ヨークスさんの新作秋冬コレクション展示会場で写真展示をさせて頂いたのです。

Cillxctugaalfgh_2 Img_1690

いつか手袋業界の方と何かやってみたい、という思いはありましたが、如何せん僕が記録しているのは落し物としての手袋。「業界の方からしてみるとあまり良いイメージではないかも」と思っていましたが、面白がって僕に声を掛けて下さったヨークスさんには本当に感謝です。色々と手袋に関する知識も増えました。

トム・ハンクスの片手袋騒動も面白かったですね。トム・ハンクスがTwitterに片手袋写真をアップし続けている事が話題になったのですが、それを解説する為にラジオに出たりもしました。

Photo_2

またそれを機に、今まで収集してきた世界中の片手袋に関する事象をまとめられたのも良かったですね。

Photo_3

いよいよ、片手袋という文化、現象が世界中に存在している事を無視出来なくなった一年でした。

人気サイト、東京別視点ガイドさんにインタビュー記事を掲載して頂いたのも忘れられません。

「片手袋は呪い」なぜ道路に手袋が落ちているのか。その道30年、片手袋研究家に聞いてきた

今まであまり表に出さなかった「片手袋研究を続ける辛さ」を初めて吐露できましたし、このインタビューがきっかけで、来年早々の片手袋探しツアー「特殊町歩き 片手袋GO」を企画して貰えたのも嬉しかったです(しかもすぐに満員御礼になったのも驚きでした!)。

あの「しょこたん」の番組に出演して、しょこたんを完全に引かせながらもベストニッチマニアを受賞したのも嬉しかった!しかもコメンテーターが昔から大好きだったサンキュータツオさんでしたしね。

谷中の本屋、ひるねこBOOKSさんで行った写真展、トークイベントも忘れられません。特にトークイベント。テレビやラジオ以外では初めて、人前で片手袋研究を語り倒した訳ですが、我ながら結構面白かったしトークイベントは今後も追求していきたいですね。

Talkshow_4

あとブログで詳しく報告していなかったかもしれませんが、小冊子「片手袋研究入門」を作ったのは大きかったです。

Ch2kbnsuyaazs8l_2

今まで初対面の人に「どうも。片手袋研究家の石井です!」とか言っても何一つ伝わらなかったんですが、この8ページの小冊子のおかげで僕が何をやっているのか分かって頂けるようになりました。

この小冊子、「町の本屋さん」の代表格である、千駄木往来堂さんのレジ前に置かせてもらっているので、興味がある方はどうぞ手に取ってみて下さい。勿論無料です。

地味だ地味だ、と思っている片手袋研究も、毎年年の瀬に振り返ってみると結構色んな事をやってるんですよね。上記以外にもテレビ出演や原稿執筆もさせて頂きましたし。こんな活動に興味を持ってお声を掛けて下さる方達には本当に感謝しております。仕事の都合などで引き受ける事が出来なかったお話も幾つかありましたが、これからも宜しくお願い致します。

そして何より、こんなブログやHP『片手袋大全』をご覧頂いている皆さま、Twitterで「#片手袋」を付けて片手袋写真を投稿して下さってる皆様。涙が出るほど嬉しいです。世界中に同志がいる事が判明してきました。常に皆様に片手袋の新たな側面をご報告できるよう、片手袋研究の深度を増していきます。

最後に毎年恒例、2015年最も印象的だった片手袋=MVS(Most Valuable KATATEBUKURO)を発表させて頂きます。今年はこちら!

Cilmrqpuoaibjue

ちょっと変化球ですが、ヨークスさんの展示で社員の方が作ってくれたこの状況です。僕が展示した写真に写っている片手袋がヨークスさんの製品だと気付いた社員さんが、下に実物を展示していてくれてたんですね!

今まで「手袋を落とす人・拾う人・それを撮る人」の循環で成り立っていた片手袋研究ですが、そこに「手袋を作る人」も加わったのです!より大きな循環が生まれた瞬間でした。

2017年は片手袋研究にとってどんな年になるでしょう?今から楽しみです。皆さま、来年もよろしくお願い致します。良いお年を!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年10月17日 (月)

『冬はまだか?』

寒くなってきました。手元も何だか寒く感じます。

…身震いしてきてるよね、最近の俺。というのも、毎年この時期は「その冬最初の冬らしい介入型片手袋との遭遇はいつか?」というのをドキドキしながら待っているものでね。町を歩いている一瞬一瞬、気が抜けない訳ですよ。

ちなみに昨年は10/9が“その日”でした。 出会ったのはこの片手袋。

2015

片手袋研究家として、冬場に人はどういう順番で防寒対策をするか?というのをチェックしてたことがあるんですが、大体皆さん「厚手の上着⇒マフラー⇒手袋」という順番ですね。

なので寒くなっても皆さんが手袋をし始めるのはだいぶ後。実際、今のところまだ今年は出会っていないのですが、もうそろそろな気がします。

あ~、ドキドキする!

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2016年8月29日 (月)

『今、この時』

36

これ、片手袋研究最初期に撮ったお気に入りの一枚です。多分、「ファッション類介入型フェンス系」に気付いた最初の一枚じゃないかな?

この場所は築地の場内と場外の境目、海幸橋で撮ったのです。フェンスの向こうに見えるのはバイクの駐車場、その向こうに癌研が見えますね。

しかしこの場所、今はもうこの景色ではありません。

37

一年ほど前に駐車場が更地になり、

Photo_2

そしてこれが今日現在の状態です。新しい建物が出来てますね。これは築地場内移転に伴い場外に新設された施設です。場内の仲卸業者が幾つか入るそうです。

しかし、つくづく思いましたね。築地の移転が良いとか悪いとかは別にして、「今見ている景色は、今、この時にしか存在しないのだ」と。

だから最近は、

38 39

40 401

こういう本当に何の変哲もない築地の日常を撮り続けてます。いつかこういった記録が役に立つ日が来るかもしれないので。

幾つもの新たな発見を片手袋研究に与えてくれた築地場内。あと数か月です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年4月12日 (火)

『喪失感あればこそ』

2016

中々出会えない季節になってしまいましたが、逆に言うと出会った時の嬉しさは倍増ですよね。

例えば今日の片手袋。幾ら「片手袋博愛主義者」を標榜している僕でも、冬場だったら正直軽く写真を撮って済ませてたと思うんですね。

でも今だと、「うっひょ!ひっさしぶり~!雨の中大変だったろうに。今撮ってやるからな。俺だけはお前の存在、忘れないぞ!」という感じになるんですね。

町中に片手袋が溢れる冬場の楽しみ。でも一年中それが続いたら、片手袋が内包している寂しさや孤独に思いが至らない人間になってしまうかもしれません。だから、これからの時期も大切にしていきたいと思ってますよ。

…以上のような話を涙浮かべながら話したりするので、家族ですら段々僕との距離を取るようになってきてますわ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年3月11日 (金)

『五年』

あれから五年。毎年この日は、震災直後に書いた記事を再掲載しています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~
Photo

これは僕が“介入型”と呼んでいるタイプの片手袋です。

落ちている片手袋に気付き、見つかりやすい場所に移動してあげた誰かが存在する。

そうして生まれるのがこの“介入型”の片手袋なのです。

我々には有事ではなく普段から、このようなちょっとした、でもとても重要な心の優しさが備わっています。そう信じています。

ましてや過去最大級の有事が起きている今この時。

批判や言い争いや怒りはひとまず置いておいて、正確な情報や落ち着いた行動に基づく優しさを発揮しましょう。

僕自信、自分に出来る事は何か、冷静に考えてみます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

風化には良い面と悪い面の二つあると思います。

「もう立ち直れない」と思う程大きな絶望を味わっても、時と共に心の痛みから解放されていく。“忘却”というのは時に人間にとって大きな力になりますよね。

しかし「二度と同じ過ちを犯してはいけない」という教訓を得ても、また同じ過ちを繰り返してしまう、というのも人類の歴史です。

忘れて良い事といけない事。五年経ってもそのコンセンサスが得られず、様々な分断が起きてしまっていますが、とにかくあの日、上に書いたような事を強く意識したのだけは忘れないようにしたいと思います。

東日本大震災でお亡くなりになった方々やご遺族に心よりお悔やみ申し上げます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年3月 9日 (水)

『義経一枚手袋』

早朝、バイクで築地から家に帰っている途中、歌舞伎座前のガードレールに介入型片手袋が見えました。しかし信号の都合で停車出来ず、泣く泣く素通りしてしまいました。

しかし帰宅してからも気になって気になって。というのも、僕は出会った片手袋には絶対に演出を加えず偶然の出会いを大切にしているものの、「あそこに片手袋がある風景を撮ってみたいな~」と普段から気にしている場所が幾つかあるのです。

Img_0757

最近その願いが叶った例としては、上野鈴本前なんかがあるんですけど。“歌舞伎座の前にある片手袋”というのも、長年夢見ていたシチュエーションだったんですよね。しかし願いがようやく叶ったのに、撮影が出来なかった、というのが悔し過ぎて…。

しかし、ふと思ったんです。「今日は仕事が休み。俺は銀座で映画を見るじゃないか!」と。銀座から歌舞伎座なら歩いていける距離。僕は決心しました。

数時間後。映画が終わり、僕は真っ直ぐ晴海通りを築地方面に歩きます。「もしかして既に無くなっているんじゃないか?」などと不安を感じながら歌舞伎座に到着すると…。

Img_1015

ありました!歌舞伎座のお客さんが落したのか、銀座という土地柄なのか、ちょっと高級そうな革手袋です!取り敢えずこのアングルで押さえて、次は歌舞伎座が入るようなアングルで撮らなくちゃ!

…しかし。僕は前方に妙な気配を感じました。

Img_1016_2

うわ!僅か数m先にもう一つあった!きっと休日の貴重な時間を使ってわざわざ戻ってきた僕を、片手袋の神様が祝福してくれているんだ!

だが、ちょっと待て。何かがおかしい。僕は二つの片手袋をよく見比べてみました。

Img_1015_2 Img_1016_3

手首の部分に全く同じ金具。…これ、両手袋じゃん。そうなのです。落ちていた両手袋が、数m離れた位置に介入されていたのです。

Img_1014

いや、片手袋なんて研究している僕ですから、当然両手袋も撮ってはいるんですけどね。

Img_0433

それに何度も書いているように、両手袋は「そもそも片手袋をどう定義するのか?」という大問題を投げ掛けてくれる存在なのですが。

でも、僕が心底フェティッシュな愛情を感じるのはやはり片手袋の方でありまして…。

休みの日に時間を掛けて思った通りの結果では無い事が判明した瞬間、「片方だけの写真を撮って片手袋だった、という事にしちまおうか」という気持ちが全く芽生えなかったか?と聞かれると、正直0%とは言い切れません。論文執筆の為に実験結果を改ざんしてしまう科学者の気持ちが少し分かりましたよ。

だが、しかし!僕はこういう失敗もここで正直に皆様に報告する事を選んだんです。失敗じゃない。片手袋研究家としてまた一歩成長したんだ!

これからも起こった事実に対して真摯に向き合う研究者である事を、ここに誓います!

大団円!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年3月 3日 (木)

『超人』

Photo

今日、この片手袋を撮る為、手袋を片方外している時にふと気づいたのです。

「片手袋を撮影する時は、自分も片手袋にならなければならない」…

「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」じゃないですけど、特に寒い冬、手袋をしている時にスマホで片手袋を撮ろうとすると、必然的に僕も手袋を片方外さなければいけない訳で(スマホ対応手袋なら話は別ですが)。

以前、その事が悲劇を招いたこともありました。

ニーチェは「怪物と戦うときは、自分自身も怪物とならないよう心せよ」と言いましたが、僕は既に自分自身も片手袋と化しているようです。

流石に今日のは僕自身も何を書いてんだか、訳分かりません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧